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たくさんお会いしてきたお客様の中でも特に印象に残っているのが、あるご家庭のお母様と小学校の入学を控えたお嬢様です。小さなお子様がおられるお客様の場合、多くのお子様が大人同士の会話に途中で飽きてしまう中、その子はお母様と一緒に最後まで話を聞き、私が帰る際には「今日は来てくれてありがとう」とお礼を言ってくれました。うれしくなった私も「こちらこそお話を聞いてくれてありがとう」とお返事をしました。その後、そのお客様から「契約したい」とのご連絡をいただき再度訪問。契約締結後に帰ろうとした私に、お子様が「帰ったら読んでください」と便箋を手渡してくれました。帰って便箋を開けるとお礼のお手紙と折り紙で作ったお花が入っていました。文面には、「この間は来てくれてありがとう。今日も来てくれてありがとう、山川さんが来てくれてうれしいです」と書かれていました。とてもうれしかったので、今でも大切に保管しています。

世間一般的にシロアリへの関心は薄く、被害が出てから駆除するもので、予防するという意識を持っている人はそう多くない印象です。そのような方々に対し、どのようにお伝えしたら、シロアリ予防が大切な家を守るために重要であるということをご理解いただけるのか常に考えています。そのため、ご契約をいただけないときは、お客様のせいではなく、自分自身の伝え方が足りなかったからだとの考えを持てるまでに成長しました。一方で、予防施工の重要性をお客様へしっかりと伝えられ、施工した後に「これで安心です。本当にありがとうございました」と言っていただけたときは、お勧めして良かったと思います。代金を頂戴しているのにも関わらず、お客様から感謝されるというのもこの仕事の魅力のひとつです。

毎日、いろいろなご家庭を訪問し、たくさんの方々とお会いします。日々、様々な人と出会い、お話をさせていただく機会を持てるのは、私にとって本当に貴重なことだと感じています。この仕事を長年続けている理由はそこにあるかもしれません。お客様との接し方も年を追うごとに変化しており、自分自身が若い頃は、人生の先輩方から子育てのアドバイスを受けましたし、同年代の方とは趣味や子どもの話で盛り上がりました。最近は、私より若いお客様と接する機会が増え、逆に私が人生の先輩としてアドバイスができるようになりました。あと何年かしたら、私の娘と同年代のお客様のご家庭を訪問できるかと思うと楽しみは尽きません。そうした訪問機会を増やせるよう、定期的なシロアリ対策を当たり前と思っていただけるような仕組み作りを行うことがこれからの目標です。